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ユーフォニアムブランド一覧と特徴

ユーフォニアムブランド
目次

ブランドで見ると、楽器選びがラクになる

ユーフォニアムは見た目が似ていても、ブランドごとに「鳴り方の方向性」「つくりの思想」「得意な現場」がけっこう違います。吹奏楽・一般楽団で安心して使いたいのか、ブラスバンドのど真ん中を狙いたいのか、ソロで表情を出したいのか。ここが見えてくると、試奏のポイントもはっきりします。

すぐに楽器は買いませんが、ここ最近ユーフォニアムブランドや情報についてすっかり離れていました。
私が楽器を選ぶときにまず、その楽器やブランドがどんな考え方でユーフォニアム作ってどういうものを目指しているのかを把握して、その中から自分にとって良さそうなら取扱店に行って何本か試奏することにしています。
そこでこの記事では様々なブランドの歴史→特徴→向く人の順で調べてみましたので共有させていただきます。

ただし!モデルや仕様は改良で変わることがありますし、最近は楽器ブランドの身売りもよく起こり、今までは良かったのに急にOEM先の工場が変わったり、ユーフォニアムの製造方針で名前は同じなのに中身は別のブランドになることもあります
そもそもユーフォニアムは製造工程の多さや楽器の大きさなどから当たりハズレの比較的大きい楽器ので、最終判断は必ず最新の仕様も確認してください。

ユーフォニアム主要ブランド一覧(まずは全体像)

ブランド主な拠点・ルーツざっくり個性(イメージ)
YAMAHA(ヤマハ)日本品質の安定感、吹奏楽〜ブラスバンドまで万能
Besson(ベッソン)フランス発祥(現在は欧州生産)“英国系”の伝統を背負う王道サウンドの代表格
Willson(ウィルソン)スイス精密さと芯のある鳴り。プロ定番として語られがち
Adams(アダムス)オランダ近年勢いのあるカスタム志向。反応の良さが売り
Miraphone(ミラフォン)ドイツドイツ職人系。堅牢さとまとまりの良さで支持
Sterling(スターリング)イギリスブラスバンド文化の“手触り”を意識した設計
XO(エックスオー)日本発の設計思想(KHSグループ)管楽器の技術者発想。現代的で実用的
Jupiter(ジュピター)台湾(KHS)学生〜一般向けの現実解。ラインが広い
Eastman(イーストマン)米国(ブランド群)近年ライン拡大。コスパ帯〜上位まで幅広い
John Packer(ジョン・パッカー)イギリス“選びやすい価格帯”で人気が出た実務派
Wessex(ウェセックス)イギリス(企画)直販色が強い。個性的なモデル展開も多い

YAMAHA(ヤマハ)

どんなブランド?(歴史)

ヤマハは1887年に山葉寅楠がリードオルガンづくりから始めた会社で、長い時間をかけて総合楽器メーカーになりました。管楽器分野も拡大し、世界規模で供給できる体制を持っています。

ユーフォニアムの特徴

ヤマハの強みは、個体差の少なさと“扱いやすさ”にあります。部活・一般楽団のように合奏が中心だと、まずここが効きます。

上位機種の系譜としては「Neo(ネオ)」が有名で、ブラスバンド指揮者Bill MillarやソリストSteven Walshの意見を取り入れて開発した、という説明がされています。狙いは“理想のブラスバンドサウンド”に近づけること。
また、4番を使った低音域で音程が不安定になりやすい点に対して、補正(コンペンセイティング)で低音域の音程を助ける仕組みを採用している、とされています。

こんな人に向く

・はじめてのマイ楽器で、まず失敗を減らしたい学生
・吹奏楽・一般バンドで、幅広い曲に対応したい人
・修理やパーツ供給の安心感も重視したい人(長く使う前提)

Besson(ベッソン)

どんなブランド?(歴史)

Bessonは1837年、パリでGustave-Auguste Bessonが立ち上げたブランドです。のちにAdolphe Saxとの法的な争いなどを経てロンドンに工場を構えるなど、ヨーロッパの金管史そのものに深く関わってきました。
現在はBuffet Cramponグループ傘下のブランドとして展開されています。

ユーフォニアムの特徴

Bessonを語るときによく出てくるのが、Prestige(プレステージ)系の“メイントリガー”です。公式には、Prestige 2051/2052がメインチューニングスライドのトリガー機構や独自のリードパイプ設計を備え、プロのソリストやバンド奏者に選ばれている、と紹介されています。

こんな人に向く

・ブラスバンド的な音の太さ、歌い方を狙いたい
・音程を「手で合わせる」ためのトリガー運用に興味がある
・ソロも合奏も“王道の鳴り”で勝負したい

Willson(ウィルソン)

どんなブランド?(歴史)

Willsonは1950年にスイスで創業し、木管や金属管の修理からスタートして自社製造へ発展した、と紹介されています。長年にわたり「世界の一流の金管」を目指して設計・製造を続け、ユーフォニアムは“伝説的なサウンド”と“精密なエンジニアリング”で知られる、という位置づけです。
なお、2023年にEastman Music Companyのブランド群に加わったことも発表されています。

ユーフォニアムの特徴

ウィルソンは「音の芯」と「ピッチのまとまり」を重視して選ばれることが多いブランドです。派手さより、音が前に飛ぶ感覚や、合奏で埋もれにくい存在感を求める人に刺さります(ここは試奏で体感するのが早いです)。

こんな人に向く

・一般楽団でも“プロ機”の方向性に憧れがある
・音の密度と安定感を優先したい
・長く付き合える一本を、最初からしっかり選びたい

Adams(アダムス)

どんなブランド?(歴史)

オランダのAdamsは、もともと修理の現場から育ったメーカーです。公式のヒストリーでは、創業者アンドレ・アダムスが修理工として活動し、1970年に楽器店(Muziekcentrale Adams)が形になった流れが説明されています。修理で鍛えた「こう直すと吹きやすい」「ここが鳴りの邪魔」という感覚が、そのまま設計思想に生きているタイプのブランドです。

ユーフォニアムの特徴

Adamsはモデルごとの性格がはっきりしています。たとえばE1は「息がスッと入る(free blowing)」「クリアでオープン」「音色の幅が広い」と説明され、ソロとアンサンブルの両方で使える方向性が打ち出されています。
一方で、E2は「powerhouse(パワーが出る)」で、厚めの材を使い、芯のあるフルでウォームな音を狙ったモデルだと紹介されています。
さらにラインナップ全体として、E3は“最もダーク”、Sonicはノンコンペン(補正なし)のプロ機、という具合に「求めるキャラで選べる」構造になっています。

こんな人に向く

・音色の方向性を「指名買い」したい(明るめ/太め/ダークなど)
・合奏だけでなく、ソロもやりたい
・楽器側の反応の良さや、細かいニュアンスの出しやすさを重視したい

Miraphone(ミラフォン)

どんなブランド?(歴史)

Miraphoneは第二次世界大戦後の1946年、旧グラスリッツ(Graslitz)で楽器づくりをしていた職人たちがドイツ・ヴァルトクライブルクに集まり、協同組合として創設された経緯が公式に説明されています。翌1947年に「Miraphone」のブランド名で自社製造を始めた流れも書かれています。

ユーフォニアムの特徴

代表格のひとつがM5050 “Ambassador”です。公式ページでは「豊かでクリアな音」「impeccable intonation(音程の良さ)」といった表現があり、さらに仕様としてコンペンセイティング方式、主管トリガー搭載などが明記されています。
ざっくり言うと、“鳴りの豪快さ”より「密度」「まとまり」「音程の安心感」で選びやすいタイプです。

こんな人に向く

・低音域まで音程を丁寧にまとめたい
・合奏で「芯があるのに散らない音」を作りたい
・堅牢さや作りの良さも含めて長く使いたい

Sterling(スターリング)

どんなブランド?(歴史)

Sterlingは1987年に英国で創業し、英国式ブラスバンドの伝統に合わせた金管を作ることを狙いにしてきた、と公式の紹介文で説明されています。創業初期にはBoosey & Hawkesの元職人たちの知見も活かし、手作りの高品質機で存在感を作った流れも触れられています。
また「既製品ではなく、奏者に合わせた楽器を求める流れ」からVirtuosoレンジを発展させた、という背景も公式に書かれています。

ユーフォニアムの特徴

Sterling Virtuoso Euphoniumは、世界のユーフォ奏者との共同設計として紹介され、「反応の良さ」「豊かな響き」「作りの良さ」を強調しています。標準仕様として、コンペンセイティング4番、主管トリガー、太めのボア(15–17mm)、12インチ・ベルなども明記されています。
“伝統と現代性能のバランス”を狙った設計、という言い方がいちばん近いです。

こんな人に向く

・ブラスバンドの音像が好き(でも現代的な扱いやすさも欲しい)
・トリガーで音程を攻めたい
・一本で「歌わせる/押し出す」を両立したい

XO(エックスオー)

どんなブランド?(歴史)

XOは、技術者・奏者でもあるKoichi Haido(甲斐戸浩一氏)のビジョンから始まったブランドで、公式の“About XO”では1995年に最初のXOトランペットが市場に出たことが説明されています。
「演奏者が快適で、いろいろなジャンルで自分の音に近づけること」を重視する姿勢も、公式の文章から読み取れます。

ユーフォニアムの特徴

XO 1270は公式に“compensated euphonium”として紹介され、フルコンペンで音程の精度を支える、という説明がはっきりあります。3+1配置、イエローブラスのリードパイプで「rich and focused sound(豊かでフォーカスした音)」を狙う点も特徴として掲載されています。

こんな人に向く

・「実用性の高いプロ機」が欲しい(反応/音程/吹きやすさ)
・初めての本格コンペン機を、現代的な設計で選びたい
・吹奏楽〜一般楽団まで幅広く使う前提で探している

Jupiter(ジュピター)

どんなブランド?(歴史)

Jupiterは公式年表で「1980年にJupiterブランド名が導入された」と明記されていて、2020年が40周年であることも紹介されています。学生〜一般奏者の現場で見かけやすいのは、この“供給力とラインの広さ”が背景にあります。

ユーフォニアムの特徴

Jupiterのユーフォは、モデルごとに役割が分かれている印象です。たとえばJEP1120Sは3+1+コンペン、12.2インチ・ベルで「温かく、響きがありつつ、明瞭さとフォーカスもある」と説明されています。
一方JEP1020はノンコンペンですが、左手4番を斜めに配置して「右手小指を使わない」設計で、持ちやすさ・吹きやすさを狙っています。

こんな人に向く

・学生〜一般で「無理のない価格帯」からステップアップしたい
・3+1の構えやすさを重視したい
・合奏もソロも、まずは扱いやすさ優先で選びたい

Eastman(イーストマン)

どんなブランド?

「EASTMAN」は、創業者のQian Ni(チアン・ニー)が1992年にEastman Stringsを立ち上げたことから始まった、と公式の“Vision”で紹介されています。最初は小さな事業からスタートし、いまは幅広い楽器ブランドを展開するグループに成長している、という流れです。

またEastman Windsのページには、グループのブランド一覧の中にWillson(ウィルソン)も並んでいます。つまり「Eastman系のブランド群の中にWillsonがいる」という見方ができます。

ユーフォニアムで押さえたいポイント

Eastmanのユーフォニアムは、「これから本気で吹きたい」層に刺さる“実用スペック”のモデルが分かりやすいのが強みです。とくに学生・一般奏者は、いきなりハイエンドに飛ばずに「4バルブ」「吹きやすさ」「音程の安定」を優先して選べるのがありがたいところ。

代表モデル例:EEP426(ノンコンペン4バルブ)

公式説明ではEEP426は、4バルブで、4番はノンコンペン(補正管なし)。4番バルブは左手で操作し、1〜3番は右手で操作する、と明記されています。
仕様としても、ボアやリードパイプ、ベル径、ケース付属などがまとまっていて「ステップアップの現実解」になりやすいモデルです。

こんな人におすすめ

  • 3バルブから次へ進みたい(4バルブに慣れたい)
  • まずは吹きやすさ・音程感を優先して、合奏で困りたくない
  • 将来的にコンペン機へ行くとしても、今はコストを抑えたい

John Packer(ジョン・パッカー)

どんなブランド?

John Packerの公式「About us」では、1978年にリペアと販売の店を開いたことがブランドの出発点として書かれています。さらに、現在は45か国で展開し、25万本以上の楽器が流通している、とも紹介されています。

ここが重要で、JPは「学生〜一般奏者が買える価格帯でも、必要な機能を揃える」方向に強いブランドです。
いわゆる“最初のコンペン(補正付き)”候補として挙がりやすいのは、この背景があります。

代表モデル例:JP274

JP274は公式の商品説明で、フルコンペンセイティング(補正付き)であること、そして12インチベルで投射感とダークな響きを狙っていることが明記されています。
同ページ内の仕様欄には、ベル径(12″)やボアなども掲載されています。

こんな人におすすめ

  • 「合奏で低音が薄くなる」「低い音域の音程が不安」→ コンペン付きでラクにしたい
  • 予算の中で、4バルブ+コンペンを優先したい
  • 一般バンドで、曲のレンジが広くなってきた(低音も高音も出る)

Wessex(ウェセックス)

どんなブランド?

Wessexは公式「About Us」で、英国のチューバ奏者Jonathan Hodgettsが2010年に設立したと説明しています。また、手頃さと効率性の観点から中国での製造に可能性を見出し、海外での製造を進めた流れも書かれています。 さらに、需要の増加に対応して2012年にアメリカに流通拠点を開設したことも同ページ内にあります。

要するにWessexは、「価格を抑えつつ、狙ったキャラクターのモデルを用意する」ことが得意なブランドです。
学生・一般奏者にとっては、“コスパでコンペン”の代表格として知っておく価値があります。

代表モデル例:Dolce EP100

EP100は公式商品ページで、温かく響く音色、安定した音程、フルコンペンといった特徴がまとめて説明されています。
また仕様欄には、ベル径12″、ボア寸法などが具体的に記載されています。
ケースとマウスピースが付属することも明記されています。

こんな人におすすめ

  • 「コンペン付きが欲しい、でも現実的な価格で探したい」
  • 部活・一般バンドで使うので、**“鳴らしやすさと安定感”**を重視したい
  • とにかく練習量で伸ばすタイプ(楽器が素直だと上達が速い)

迷ったときの決め方

ブランドの好き嫌いはあっていいんですが、学生と一般奏者が後悔しやすいのはだいたい同じです。最後はこの順で絞るのが堅いです。

  • コンペンが必要か:低音域の音程がしんどい/曲が難しくなってきた→候補に入れる
  • 自分の合奏の役割:ソロ多めか、内声で溶けたいか、低音支えが多いか
  • 試奏できるか:同じブランドでも個体差は必ずある(できれば複数本)
  • メンテと修理:部活・一般バンドは「壊れない」「直せる」が正義

まとめ

ユーフォニアムは「このブランドを買えば正解」というより、そのブランドが積み上げてきた歴史・設計思想と、自分の用途が噛み合うかで満足度が決まります。
今回は、私が気になったブランドを調べているだけなのでここの他に様々な素晴らしいユーフォニアムブランドがあります。現に私自身はチェコのチェルベニーという日本では比較的マイナーなブランドですが、私が思い描くユーフォニアムに求めることがピッタリなので使用しています。要は相性と自身の好みですね。

「ユーフォニアムブランド一覧と特徴」を知るいちばんのメリットは、ここに書かれたことなどを頭にいれ、カタログを眺めることではなく、試奏のときに“何を聴いて、何を比べるか”がはっきりすることです。
あとは、楽器に合わせにいくのではなく、あなたの演奏(息のスピード、音の芯、アタック)に合う一本を選んでください。

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